さまざまな人権

　私たちの周りには、今まで取り上げてきた問題のほかにも、さまざまな人権問題が存在しています。
　高度情報化社会が急速に進展し、インターネットや電子メールは、誰でも情報発信できる手軽なメディアとして急速に普及しました。しかしその反面、その匿名性や、どのような情報でも不特定多数に対して簡単に発信できるという特徴を悪用し、悪意のある情報を発信し他人の名誉を傷つけたり、個人情報などのプライバシーを侵害したりするといった問題が発生しています。

　これ以外にも、アイヌの人々は、今でも民族の違いから就職や結婚で差別を受けていたり、刑を終えて出所した人たち、ホームレス（路上生活者）などは、偏見のため、社会復帰が容易にできない、といった問題もあります。また、犯罪被害者やその家族、同性愛者、性同一性障害の人など、たくさんの人権問題が存在しています。
　今後も社会情勢の変化や科学の進歩により、遺伝子技術の発展に伴う人権問題などといった多種多様な人権に関する問題が発生してくることも考えられます。

　私たちの社会は、さまざまな立場の人たちが共生し、ともに暮らしています。これからの私たちに求められるのは、互いの個性や違いを尊重し、多様性を認め合いながら、すべての人の人権が保障された社会をつくっていくことです。